コンプレックス2(僕という人間)
登場人物 僕
小さい頃の時を思い出しながら書いてみる
今はそんなこと無いが小さいころの僕の苦手なもの、それは【大きい音】
特に苦手だったのは電車の停車音
【キキーッ】ていうブレーキ音がすごい苦手だった。
待っている電車が到着するたび耳をふさいでいた。
しかし、その音は電車に乗る時だけだったのでまだ我慢できた。
日常生活において苦手な音、それはトイレの【ジャー】と水の流れる音
音的には電車程ではないが頻度的に言えばトイレの方が深刻。
だってトイレは毎日行くから。
正直6才ぐらいまで音が怖くて流せなかったと思う。
オシッコはまだいいよ、だって流さなくてもきっとバレないから。
問題はウンチちゃんである。汚い話にしたくないからウンチちゃんと呼ぶ。
僕は音が怖くてウンチちゃんをしても流せなかった。
当然自然に流れるわけもなく次の人が入ってくるまで静かに流されるのを待っているのである。
家族にも恵まれ僕のウンチちゃんは何事もなく次の人が流してくれていた(ありがたい)
しかし年数がたつにつれ兄が心配してこのままではいけないと思ったのか、それとも当たり前のように僕のウンチちゃんを流すのが嫌になったのかは分からないが僕に対してこう言った
「おまえウンチ流されへんのやったらウンチすんな」
「ひどい!あんまりだ」と思った。
ウンチちゃん禁止令がでて僕はトイレでウンチちゃんができなくなった。
しかし、母親のバランスの良い食生活のおかげで毎日快便であった。当然ギリギリまで我慢する。
我慢できなくなった最後の手段はズボンもパンツも降ろさず用を足す。
漏らすしか手段はなかった。(今だから言える話ですよ)
次に出てくる問題はこのウンチちゃんのついたパンツをどう処理すれば?である。
ウンチちゃんモリモリのパンツを何事もなく、しれーっと洗濯物に出したら、目の悪い母親がその汚物を認識する為顔の近くまで持ってくるのを考えただけで想像を絶する。
幸いウチの家の裏は裏山になっていて森とまでは言わないが木々が生い茂り、モノを隠すには持って来いの場所だった。
僕は浅い考えの末、裏山に投げ捨てることにした。
毎日一枚ずつパンツが無くなれば洗濯してくれている母親にはすぐバレるだろう。
しかしそんな事を考えている余裕など無かった。
【今おきている目の前の問題をどう解決するのか】僕は必死だった。
発覚を一日でも遅らせようと、より遠くへ飛ばす為、二階のベランダから投げ捨てようとした。
白いブリーフパンツなんてそんなに飛ぶものではないが幸い重し(ウンチちゃん)が付いているので大丈夫(そもそも重しが付いてなければ投げ捨てる理由は無い)
渾身の力を込め投げ捨てたパンツは彼方へ消えていくこと無く、すぐ目の前の木の枝に引っかかって戦意喪失の白旗を掲げるような形になって隠すどころか余計目立ってしまった。
かといって、もう一度拾いに行ってどうこうできる感じでもなかった。
なすすべがないまま兄弟に見つかってしまう。
30年以上たった今でもバカにされる。
石富士名ばかり営業部長6才にして絶望を味わうの巻。
めでたし。