ishifujiluckyboy’s blog

石富士の名ばかり営業部長の気ままな日記

思い出話9(散髪)

登場人物 僕・散髪屋のおっちゃん

 

これは僕が小3か小4の時の話

当時、僕は地元の少年野球チームに所属していた。

野球と言えば坊主頭をイメージするが、小学生だったこともあり髪形にはあまりうるさくなかった。

でもだいたいの子は短髪。

しかし僕は短髪が嫌だったので普通の髪形(前髪が目にかかるぐらい)だった。

髪形は自由といえども、やはりスポーツをするのには適していなかったのでコーチからは度々髪の毛を切った方がいいぞ。と指摘される事も。

 

とはいえ、僕は短髪にしたことが無かったし、きっと似合わないだろうと拒否していた。

 

しばらくそういう髪型で野球していると最初は自分だけに向けての指摘だけだったが、何かのタイミングで母親にも息子の髪形をどうにかしたほうがいい。という話になった。

母親に髪の毛切ったら?、と言われたが、似合わないから嫌だ!と最初は拒否したが説得され切りに行くことになった。

母親が「今度近所のスーパー行く時、散髪屋さんがあるから、お母さんが買い物してる間髪の毛切ってもらったら?」と言われ一緒に行くことになった。

 

初めていく散髪屋さん

当日、散髪屋さんに入り母親がカットしてくれるおじさんに

「この子、野球やっててコーチから髪の毛切るように言われたんですけど、似合わへんから嫌や言うてるんですけど大丈夫ですかね?」と聞いていた。

おじさんは「なんやボク、そんなん気にしてるんかいな!おっちゃんにまかしとき、男前に仕上げたるから」と笑顔で言ってくれた。

「じゃぁお願いします」と言い母親は店から出ていった。

 

おじさんはバリカンを手に、いきなり側頭部をガーッと何の躊躇も無くいった。

もう後には引けない。

 

ハサミに持ち替え短髪に仕上げていく。

やっぱりだ。心配していた通り全然似合ってない。似合わないの最上級。

 

隣で髪を切っていた中学生ぐらいのお兄ちゃんと鏡越しに目が合う。僕を見て笑うのを我慢して顔が引きつっていた。それぐらい似合っていなかった。

 

フィニッシュに近づき、おじさんは顔とのバランスを見るために初めて鏡越しに僕を見た。

「よっしゃ・・・・・」  

「・・・・・・・プ フゥ」

 

今笑った!絶対笑った!

気づかれまいと顔を背けていたが確かに僕は見た。

自分で作り上げた作品を自分で笑うな!

だから短髪にするのは嫌だったんだ。

 

母親の買い物が終わるまでお店の中で待たしてもらっていた。その間入ってくるお客さんは、あからさまに僕から目を背けていく。

 

母親が迎えに来て僕を見たとき、何も言わず目を背けた。

 

次の日、学校に着き、教室に入り帽子を脱ぐと、大阪のいい所なのか悪い所なのか分からないがみんなが一斉に大爆笑!

「なにあれ?」 「どないしたん?」 「なにがあったん?」 「罰ゲーム?」

などなど、いろんな言葉が教室内に飛び交っていた。

 

恥ずかしくて教室から飛び出したい気持ち。

 

すると仲のいい友達が僕に近づき肩をポンポンと叩いて一言

「エライ体張って」

 

はってないわ。

 

めでたし。